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さよならでなく

バラナシにてシヴァラートリというヒンドゥーのお祭りに参加したあと、
ふたたびデリーに戻って来ました。
今夜、マレーシア航空でKLにむけて出発です。

これからしばらくここには戻って来られない、戻ってきてはいけないという気持ち。
元来感情の起伏の激しい私はもっとさみしくなるに違いないと思っていたけれど、
パハールガンジの朝のように、いまは、とても、すがすがしい。



きっと、行ってきます、だからかな。
新しい、社会という旅にむけての出発。だからこんなにも晴れた気持ち。
私は中途半端に5年生かつ9月卒業だったから、卒業式にでていない。
この心持ちは、卒業式のそれと同様なのだろう。

つぎにインドに戻ってくるときにはひとまわり成長した自分でいたい。
こどもな自分とは決別し、しかし妥協の渦には巻き込まれずに。



旅で出会ったすべてのひとに感謝して。
いざ、出発。
# by ya_switch_nao | 2006-02-28 13:19

待ち合わせ

旅先での待ち合わせがとてもたのしい。

いま、高校時代の後輩とデリーで合流してバラナシにいます。
思えば、いろんなところで、いろんなひとと待ち合わせをしてきました。
ソウルで日本に留学をしていた韓国人のスニョンと、
ニューヨークで、華僑のスコッチや、ケリー、留学した友達と、
トロントで後輩と、
チェンマイやコルカタで、旅友達と、
バンコク、バラナシでは数え切れないほどたくさんのともだちと。
初対面の、友達の友達と待ち合わせなんてこともあった。

あてのない旅で、外国で、携帯電話なしの待ち合わせ、
なんでこんなところできみといるんだろうねっていう不思議な感覚。
日本にいたときには知らなかった一面がかいまみれるおもしろさ。

誰かをたずねる旅もまたたのしい。

ひとり旅は、自分の感覚がとぎすまされる深さがある。
誰かと一緒の旅は、感覚が倍増し景色がひろがる。

どちらも味わえるのが待ち合わせ。
幸せな待ち合わせ。

お近くにおいでのさいはどうぞ一声おかけください。
これはもう、旅の醍醐味のひとつです。
# by ya_switch_nao | 2006-02-26 17:04 | インドのこと

たたかい

今日は、初めてインドに来るという高校の後輩をお迎えにデリーへ。

shiv ghanga Exp.で18:45にバラナシを出発。
駅の屋台であつあつのプーリーとカレーを食べてごきげんに自分の席へむかうと、
なんでか欧米人カップルの大きなバックパックにより私の席が占拠されている。
彼らにむかってヒッピーの別の欧米人の女の人が早口でなにかはなしかけている。
残りの席にはアジア系の男の子がふたり静かに座っている。
今回は6人とも外国人か。とりあえず私の座る場所はない。

カップルに荷物どけてっていおうかなー、でもあと数時間で寝るしまあいいやーと、
上段のベッドに荷物をくくりつけ、となりのインド人のコンパートメントに居れてもらい、すみっこにちょんと腰掛ける。
ふいにこっちにおいでとヒッピーさんに話し掛けられる。
カップルが荷物すこしずらし、スペースができていた。

ヒッピーさんはNZ出身、USA育ち、現在はAU在住のシモーヌ。
10年来インドに通っているというおしゃべりな彼女とはすぐに仲良くなった。
アジア系の男の子はひとりは卒業旅行の日本人、もうひとりは映画学校に通う韓国人。
どちらもとても感じがよくて、韓国ドラマや日本の映画についてたくさん話をした。
とてもたのしかった。
ただ欧米人カップルは終始ふきげんにだまりこみ、彼女は彼氏のひざのうえ。
ここはインドですので、ほどほどに。

インドの列車、
とくにツーリストの多い路線ではたくさんの物乞いがバクシーシを求めて次々とやってくる。
ほんとうに次々と、だ。
しかし欧米人カップルの女が足で追い払い、男がなぐるそぶりをしたのには驚いた。
もちろん全てのひとにあげたらきりがない。私も半々の割合でしか応えられない。
でも、もし応えられなくても、just say no で十分だと思う。
カップルの挙動にまわりのインド人たちと首をすくめた。悲しかった。

その後も彼らの利己的な行動は続く。
日に日に暑さをます北インド。車内は扇風機ががんがんにまわっている。
汗がでるほど暑い車内。しかし、彼らは寒かったのか断わりなく3つある扇風機を全て止めた。
ひとつくらいはいいでしょう?とシモーヌがスイッチをいれると無言でまたすぐに消す。
彼らはぶあついジャケットをもっていたのに。
どうやらシーツがわりにしていたようだけど。

話してわかったこと。
はじめ、私の席にあったバックパックはシモーヌやインド人がなんどいってもどかさなかった。
インドの列車では座席の下や、就寝まではいちばんうえのベッドにのせるもの。
どこの国からきたかきいても無視。
こんな旅人はじめてみたなあと思う。

みんなが寝たのを見計らってシモーヌが電気を消した。
数分後、カップルの女が再び電気をつけた。
そしてそれはシモーヌと私V.S.欧米人カップル闘争の幕開けの合図となった。

Here is not your country、not your room、
here is India and here is common space.
Do you think you are selfish?Look at around the people.
Why you come to India?
電気か、扇風機か、どっちか選びなさい、とシモーヌ。
私は日本でわりと怒りっぽい。でも、欧米人とけんかをしたのははじめてだ。
英語が正しく話せなくて恥ずかしいなんて考えてるひまなかった。
なによりインドを侮蔑された気がして我慢ならなかった。

男に殴られるかとひやひやしながらも
さいごにふたりでヒンディ語でひとしきり罵声をあびせたたかい終了。

いま冷静になって考えると、
彼らもきっとはじめてのインドでたくさんだまされ疑心暗鬼で心細かったに違いない。
知らないインド人や、一人旅のそれも女のこどもみたいなジャップや、早口のヒッピーに注意さて、腹立たしかったにちがいない。
この出来事でますますインドを嫌いにさせてしまったかもしれない。
ああもっとやさしくすればよかった。
ヒンディ語で罵声なんてこどもと同じだよなー。

彼らはどこから来たんだろう。
シモーヌいわくスパニッシュなまりの英語、
でも元来スパニッシュは心が広いはずだから違うかもねー、と。

もし次にどこかであうことがあったらもういちど話し掛けてみようかなと思う。
ちょっとだけあやまってもいいな。
彼らのおかげでなんだかシモーヌとなかよくなったような気もするし。
せめて別れ際に、Happy jouney とひとこといえたらよかったな。
私もおとなになる努力をしましょう。


ああでもすこしだけ、ほんのすこしだけ。

おもしろかった、なー。
# by ya_switch_nao | 2006-02-22 17:50 | インドのこと

お姉ちゃんの嫁入り

予定を変更してバラナシへ。
ほんとうはサンガネールの工房へ行こうと思って残していた時間。
いかないことにしたのはどうにでも理由づけはできるけど、ひとつは私の弱さです。
でもそれも受け止めて、また、ここに来ることに。


昨日からソニンちゃんの結婚式が始まりました。
私の大の仲良しアンキット(今年10才)のいちばん上のお姉ちゃん。
ああ、ソニンちゃんもとうとうお嫁さんになるのだなあ。

さて、昨日はお嫁さんのうちから山盛りのごちそうや、新しいサリーや、果物なんかを荷車に乗せて旦那さんのおうちまで運ぶ儀式でした。
ひとくちにインドの結婚式といっても、地域や家族によって実にさまざま。
ここのおうちでは、おばあちゃんの手作りのガネーシャ君や、このカーストならではの魚を象ったミターイ(甘いお菓子)も。

街中を激しい太鼓のリズムとともに踊り歩いて旦那さんのうちを目指します。
ほんとうは女性はこの列に参加しないのだけど、私は外国人かつ子供(!)同様ということでちびっこたちと手をつないで一緒に練り歩きました。
これによって交通渋滞がおきようとノープロブレムなインドがいとおしい。
通りすがりのひともたちどまり、ますます白熱していくダンス。

ふとよこに目をやるとアンキットがぐしゃぐしゃに泣いていました。
「どうしたの!?」ときいても首を横にふるばかり。
泣くのをこらえようとしているけれど、涙は次々とあふれ止まらない。

ああ、そうか。
お姉ちゃんがお嫁にいっちゃうんだもんね。
ずうっと一緒に暮らしてきた大好きなお姉ちゃんと、これからは別々のおうちに帰らなきゃいけないなんて悲しいのは当たり前だ。
そういえばいままで、お婿さん側でしか結婚式に参加したことがなかった。
もちろん幸せなことには違いないけれど、結婚式、さみしい気持ちをこらえているひと
もいるんだ。ただのお祭りさわぎじゃないんだ。
うちのお父さんも妹の結婚式で号泣したという話を思い出す。

アンキットの感情に触れて、私まで涙がでてきて、まわりのひとたちに
ほら、泣くのは明日までとっときなさい、今日はまだソニンはおうちにいるのだから、
とさとされる。

今晩、ソニンとさいごのお別れ。
アンキット、今日は一緒に笑顔で送り出そうね。
# by ya_switch_nao | 2006-02-17 16:19 | インドのこと

デリーでの日々

デリーでは東に暮らしている友達のおうちへ。

たまたま飛行機の中で、彼女のだんなさんのお母さんと知り合ったのがきっかけで、
2年ちょっと前、私たちは友達になりました。
友達といっても、私のちょうど倍を生きている彼女は私の尊敬するひとのうちのひとりです。
インドで自分の仕事をつくりだし毎日一生懸命生きているひと。とてもかっこいい。
それから私のインドのお兄ちゃん。私が今まで出会ったなかで一番心のやさしいインド人。

ごはんをつくったり、お皿を交代で洗ったり、インドの生活は私にとっていつも新鮮です。
おとといの日曜日はみんなでお弁当をもってハリヤナ州までピクニックにも行きました。
でも、いっけんたのしそうなインドライフも彼女がたくさんの苦労をしてここまで築きあげたもの。
旅行とはわけがちがう。
ここでの生活は、ほんとうに勉強になる。
いままで日本で自分がいかにのうのうと暮らしていたか、その贅沢さがいたいほど。
断水、停電はあたりまえ、夏には50度になることもある気候。
もちろん停電したら冷蔵庫もファンも止まってしまいます。
欠陥製品、ケミカルが大量にはいった薬、くさっても売られる食品、
約束を守らない隣人、適当な病院、権力をふりかざす警察。
私たちのとっての普通の生活が精一杯な環境での暮らし。

私はインドが好きだけど、とてもこわい国だとも思う。
最近ニュースでとりあげられていたのは、
デリーなどの都会で、若い女の子がさらわれ、売春宿に売られる事件が頻発していること。
田舎の村の中学教師が17人の生徒をレイプしてつかまったこと。
よく調査したら同じ学校のもう1人の教師は24人もレイプしていたこと。
田舎では先生は神さま、おどされたら生徒もなにもいえなかったそうです。
(インドでは成人するまでにレイプ事件に会わない女子は3割以下といわれています。)
お手伝いさんが放火し家族を殺した事件。

5年くらいまでさかのぼると、
アーメダバードからの列車にムスリムのテロリストがのりこみ、ヒンドゥ教徒を皆殺しにし、
手足を解体し袋詰にしてデリーまでもってきた事件。
反対にヒンドゥ教徒がある小さなイスラムの村の村人全体を皆殺しにした事件。
女性のスウェーデン大使のレイプ事件。

殺人事件が大きく取り上げられない現状。ひとりひとりの命がかるい。
インドが神秘的な国というのは私は100%ちがうと思っている。
とても古い国。それがいいときもあるし、わるいときもある。

まだまだ私はインドを知らない。
もっと知る努力をするべきなのだ。



さあ、これから夜行でバラナシに出発。
考えることは山ほど残ってる。
# by ya_switch_nao | 2006-02-14 22:47 | インドのこと